Knife Defense 短刀取り

先日開催された和道流空手道連盟の講習会で三代宗家 大塚博紀 最高師範が「ヨーロッパで和道流を稽古している人々は、基本や形、組手だけでなく”居取り”や”短刀取り”、”太刀取り”、”女子護身術”も稽古している。」と話して下さり、私は2000年に修行のために生活を始めたアメリカでの経験を思い出しました。
私は夜ゴミを出しに出ただけなのに、仕事中に厨房へキュウリを取りに来ただけなのに、仕事帰りにジョギングしていただけなのに、理由も無く突然襲われたことがあります。今、大きな怪我や後遺症もなく生きていられるのは、渡米前に「お前にワシの全てを教えるから、身につけて海を渡れ。」と師匠の瀬田松弘昌先生が形や基本組手だけでなく、短刀取りや居取りを教えてくれたからだと実感しています。
上記の、夜ゴミを出した時の戦いでは居取りの”撞木捕り”が役立ち、厨房での戦いでは短刀取りの”雲我捕り”と基本技の”上段受け”が役立ちました。

相手に怪我を負わせず、自分も死なずに治めることが出来たのは、「死んでたまるか。」という強い意志と共に、実戦を想定し繰り返し稽古したことで和道流の技や動きを活かせたからだと思います。

当時の友人は武道や格闘技の稽古をする者が多く、一緒にビリヤードやダーツで遊んでいても、お酒を飲み話していても、必ず途中または最後は「(ビリヤード中ならキューを見て)これでこう来たらお前ならどうする?」となったり、「(お酒を飲んでいて瓶が割れたら)これでこう来たらどう対処する?」となったり、射撃に連れて行ってもらうと「(もちろん実弾を完全に抜いた状態で)どれくらいの間合いなら当たらないと思う?突き付けられたどうする?」となりました。彼らは「この国じゃ、素手で襲うヤツなんていない。ナイフや銃を使う。だから常にそのことを考えて備えないとな。」という言葉を私は今も日本にいても無くさずに稽古をしています。

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