『技はすなわち精神の表現された技でなければならない。精神の表現された技を鍛錬することによって根本の精神を修養する。』

今朝のニュースでは胸を傷めました。加害者が小学生で同級生に対して数年間、詐欺と恐喝行為をしていたという事件。
私が毎朝運動する中で考えるのは「人間尊重の精神と生命に対する畏敬の念の意義を子供たちが理解し育むため、今日の道場稽古でどのように教えるか」
道場に通う生徒は幼児、小学生、中学生、大学生、社会人など年齢が異なり体力にも差があり、運動が得意な子や不得意な子がいたり、稽古に集中出来る子がいれば散漫な子もいます。各家庭の教育には違いがあるので価値観が大きく異なることを感じる時があります。そんな中で、「人間尊重の精神と生命に対する畏敬の念の意義を子供たちが理解し育む」という目標は、私1人で達成出来ることではなく、生徒たちと一緒に協力し合えた時にのみ成し遂げられるものです。
だから先ずは言葉で伝え、次に身体を動かして見せて伝え、手を取り足を取り触れ合って伝え、子供たちが自分の想いや考えを述べられる機会を作り、互いの気持ちを通わせる努力をする。自分以外の人間を気にかけたり興味を持つこと、自分が持つ好き嫌いの感覚や喜怒哀楽の感情が相手にもあることを子供たちが知り忘れない、そんな時間の積み重ねが「仁・惻隠」、「礼儀」の心の成長に繋がると信じています。
和道流空手道・柔術拳法の流祖 初代宗家 大塚博紀 最高師範の著書『空手道 第一巻』の《道と術》の中にあるお言葉『技はすなわち精神の表現された技でなければならない。精神の表現された技を鍛錬することによって根本の精神を修養するのである。』

和道流空手道連盟 三代宗家 大塚博紀 最高師範による講習会

本日は、和道流空手道連盟神奈川県連絡協議会主宰の三代宗家 大塚博紀 最高師範による講習会を受講しました。
午前中の少年部ではピンアン初段の中で6回行う外腕受けについて2種類と順突きを稽古しました。
午後の大人の部では突きと上段受け、そしてチントウを稽古しました。特に突きと上段受け、チントウの第1〜4挙動については時間をかけて詳しく教えて頂きました。

強者が弱者を制圧するために用いるのではない

私は空手道の稽古を始めた日から「必ず組手をして稽古を終えなさい。」という師匠の教えを37年間守っています。
基本、形、基本組手、短刀取り、居取りの稽古で学んだことを自由組手で実践することで『大きな技と無駄な技』について考えたり気づくことが出来、習ったまま用いるのではなく応用する柔軟さの重要性を強く感じることが出来ます。
同時にもう一つ忘れてはならないことがあり、それは生徒が私に対して遠慮なく手加減せず打ち込んでも、私が生徒に怪我を負わせることは絶対にしないことです。
稽古を終えた後の生徒たちが汗だくでヘトヘトになっていても別れる時に「先生!汗が止まりません!だけど今から恋人とデートして来ます♪」なんて言われると人生を謳歌している生徒の幸せが私にも伝わって来ます。
和道流流祖・大塚博紀 初代宗家の著書『武の道』にお言葉がありました。
「世の中から争いをなくして平和を招来し人間の生活を幸福にするのが『武』の本義である」

演目①『日本武道の美しさと力強さ』、演目②『琉球古武道が伝えたい大きな心と優しさ』、演目③『和道流空手道と柔術拳法で成す自他敬愛』

2月18日(日曜日)に狛江エコルマホールで開催された大イベントでの演武は大成功を収め閉幕しました。

和道流成武支部から11名の道場生たちが出演し、日本武道と琉球古武道の美しさや力強さ、そして和の心を多くの人々と共有することが出来ました。

1ヶ月半、道場稽古と自主稽古に励んだ11名の道場生たちが舞台上で輝いている勇姿をぜひご覧下さい。

仁と惻隠の心を広げ、豊かで優しい世界を目指します。

和道流空手道連盟三代宗家 大塚博紀 最高師範による初の著書! 2024年4月下旬発売

2024年2月14日(水)、和道流空手道連盟 総本部道場にて株式会社BABジャパンによる撮影が行われ、当学院代表であり和道流成武の冨髙勝久支部長が和道流空手道連盟 三代宗家 大塚博紀 最高師範の相手役を務めました。
三代宗家 大塚博紀 最高師範による初の著書が2024年4月下旬に発売されます!

紹介動画から皆様に伝わる通り、素晴らしい内容となっております。
皆様、お楽しみに!

三代宗家 大塚博紀 最高師範による講習会

先週に開催された和道流空手道連盟 全国指導者講習会に続き、本日は新横浜にて三代宗家 大塚博紀 最高師範による講習会が開催されました。
午前中の少年部では基本組手一本目とピンアン二段を、午後の大人の部では私にとって最も思い入れのある形”ナイハンチ”の全挙動を『和道流式深層筋運動』とともに詳しくご指導頂きました。
「動き始める前の準備」や「動いている際に決してゆるめず維持するべきこと」、そして「動き終わりの瞬間にも抜かないこと」で技を発揮するスピードも威力も上がることを改めて実感出来る日となりました。
早速、明日からの道場稽古に取り入れてナイハンチの上達を目指します!

気構え、心構え

集合時間の10分前には道場に来て自分で体操し自主稽古に励む生徒がいれば、電車に乗り遅れたことが理由で稽古に遅刻する生徒がいたり、昨日その生徒に対し私が「君が時間を守ることの意味」を説いたり「君が電車に乗り遅れないための方法」を提案しても今日の稽古に同じ理由で遅刻する生徒がいたり、グループ分けをして行う稽古の内容を説明している時によそ見をする生徒がいたり、その生徒に対し「君が相手の目を見て話を訊く意味」を説くも直後には違うグループの中に入っていく生徒がいたり、私の様に口うるさい者の前で「ああ、立つの疲れたぁ…」と言って寝転がってしまう生徒に対し私が「ここは君の家のリビングじゃないんだよ。君の家では許されていても、外で同じことをしたら君が恥を知る」ことを説くもその最中に眠り始めてしまう生徒など、道場には様々な子供がいます。
私が小学生の頃に同じことをすれば親や学校と道場の先生から鉄拳が飛んできました。私は殴られて痛くて恥ずかしいから2度と同じことをしなくなりました。でも殴られる度に私は「なんで言葉で教えてくれないんだろう」と思い続けていました。同時に私は「俺の道場を持ったら俺は言葉で説明するぞ。だって俺は人の話を訊く耳を持っているだ。」と決意しました。
だから私は子供を決して殴ったりしません。ただし生徒が私に3度同じことを注意させた場合、私はお説教をすることにしています。必ず20分間します。すると子供でもだんだん分かってきます。「私は人に迷惑をかけている」、「私はこんな時間を過ごすのは嫌だ」と彼らの考え方や気持ちに変化が生まれてくるのを見て来ました。
私が絶対にしないと決めていることは「この子に言っても無駄だ」、「この子を無視しよう」と見限ったり、見放したり、差別することです。
私の親と師匠と和道流が私を見限らず、見放さず、差別せずに育ててくれた恩を忘れず、「今は私がする番だ」という想いを抱いて稽古に臨む。
それが私の気構え、心構えです。